アメリカの保険会社の制度について少しお話をしたいと思います。なぜ、アメリカの医療費が高いのかが分かると思います。アメリカに長期滞在、アメリカ旅行に行く人達にも参考になるかもしれません。
アメリカでは、日本のように国民保険はありません。州によって、低所得者への生活保護などの一環として医療費も免除されたり、日本のように数割支払うなどの制度があります。
基本は、勤め先が用意をしている保険会社に加盟すると言うことです。会社が加盟している保険会社のよしあしで、勤め先を選ぶこともあります。なぜなら、それくらい医療費が高いからです。
言うまでもなく、会社によっては保険会社も違いますし、保険会社でも様々なプランを用意しています。ですので、これは、私の家族が入っている保険会社の一プランのお話です。
まず、私達夫婦は、妻の職場の保険に二人で入っています。これは、妻の勤め先穂保険会社がアメリカでも大きな会社の一つだからということもありますし、私は個人事業主ですのでそのようなよい保険には入れないということもあります。
そして、私達がいくら払っているかというと、1年に4,800ドル保険料を支払っています。これには、歯科、眼科の診察料は含まれていません。まったくの別です。
私達が払っているのが年間4,800ドルですが、妻の職場はさらに年間7,000ドルを私達夫妻のプランに支払っています。ですので、このプランには年間11,800ドルかかっているということになります。
アメリカ保険料ポイント1: 私達夫妻は年間4,800ドル、妻の職場が年間7,000ドル、合計年間11,800ドル保険にかかっている。
これで、医者に行けば全て支払われるのかというと、そうでありません。これから、どのようにして、私達が治療費を払っているかをお話します。
まず、私達の保険では、まず、一人1,000ドルまで自己負担をしなければなりません。これは、1,000ドルまでは、保険会社から医療費の援助は受けられないということです。一回の診療で1,000ドルを超える必要はありません。
ここでちょっと整理しておきたいのが、私達のプランでは、医者に行くと25ドル支払います。これは定額です。診察料25ドルと言えば、すっきりするかもしれませんね。しかし、医者が、血液検査しましょう、レントゲン取りましょう、入院しましょうというと、別途料金がかかります。
アメリカ保険料ポイント2:設定されている自己負担額を超えなければ保険は適用されない。
では、自己負担額を超えれば、全額医療費を持ってくれるかというと、そうではありません。私達夫婦の保険は、1,000ドルを越えた時点で、医療機関からの請求額の8割払ってくれます。もちろん、保険会社が認めればの話です。
ですので、私達夫婦の場合、医者に見てもらうだけでは、25ドルで済みます。レントゲン、血液検査などをする場合は、その分を払います。うちの嫁さんは血液検査だけで800ドルとられたことがありました。これは、1,000ドルを越える前でしたので、丸々800ドル支払いました。
また、医者から薬を処方されたとしましょう。最近日本でもそうかもしれませんが、処方箋をもって薬屋に行きます。私達の保険プランでは、100ドルまで自己負担しなければ保険が適用されません。ですので、100ドルを越えていない時点で薬屋に行くと、薬屋が言う値段を支払います。だから、自己負担額を超える前では、目薬が90ドルすることもあります。
アメリカ保険料ポイント3:処方されている薬にも自己負担額が設定されている。
しかし、どの薬でも保険が利くとは限りません。保険会社には、保険の利く処方薬リストというのがあります。ですので、医者が処方した薬に対して保険会社が保険の利く額を低く設定していることもあります。
私達のプランの場合、ブランド物ではない薬を処方された場合、100ドルを超えれば、毎月8ドルまでは自己負担してね。ということです。90ドルの目薬がブランド物でなければ、8ドルまで自己負担して、あとの82ドルは保険会社が払ってくれます。
これがブランド物になるとどうなるかというと、一ヶ月に24ドルまでは負担してね、40ドルは負担してねと、自己負担額が多くなります。
24ドルと40ドルとあるのは、同じ効力薬、例えば、胃腸薬でも、ブランドによって、24ドルのリスト内にあるものと、40ドルのリスト内にあるものがあるのです。もし、医者が自己負担40ドルの薬を処方すれば、40ドル負担しなければ習いのです。これは、購入するまで分からないという、恐ろしい仕組みです。だから、できるだけ、ネームブランドは避けるようにお願いする方がよいでしょう。ちなみに、ネームブランドではないものを、英語で、generic(ジェネリック)と言います。
アメリカ保険料ポイント4:処方薬はできるだけ、genericで。
で、私達の保険は、家族全員の医療費が合わせて5,000ドルを超えれば、それ以後の治療費はすべてただになります。
例えば、私が2006年の年末に入院したときは、入院費だけで10,000ドルを超えました。この場合、5,000ドルを渡し一人で超えていますので、5,000ドルを超えた分は支払わなくて良くなります。
アメリカ保険料ポイント5:自己負担額が一定額を超えると、医療費は払わなくて良くなる。
だから、医者にかかるなら年始がええんですね。私達の保険の場合、家族で5,000ドルを超えれば、それ以降の治療費は払わなくて良くなります。
私達夫妻の保険プランでは年間4,800ドルし払い、1,000ドルを超えた時点で医療費が2割になり、5,000ドルを超えるとただになります。9,800ドル支払って、医療費がただになるということですね。
もちろん、保険会社がカバーする治療費のことで、何でもかんでも、例えば、整形手術など、特別なことはカバーされていないケースがほとんどでしょう。ですので、この辺は注意が必要です。
私達の保険(おそらくアメリカ全土)は1月1日から12月31日までカバーされます。ということは、病気をするなら、早めに病気をして、さっさと個人負担額を超える方が良いということになります。もちろん、健康であれば、保険料だけで一銭も払わなくて良いわけですが・・・
アメリカ保険料ポイント6:病気をするなら年始に限る。
アメリカの保険はややこしいので、少しでもお役に立てば幸いです。
留学・ワーホリ・駐在保険ならAIU